
「ただいまー!」
子どもが学校から帰ってくると、ランドセルを置いて、おやつを食べて、遊び始めます。
そして、お母さんは今日も同じ言葉をかけます。
「お弁当箱、帰ったらすぐ出してねー!」
「はーい!」
元気な返事。
よし、今日は大丈夫。
そう思った数時間後。
夕飯の時間になっても出てこない。
お風呂に入る時間になっても出てこない。
そして夜、ふと気づきます。
「あれ?お弁当箱は?」
嫌な予感がして子どものカバンを開けると……。
ありました。
しっかり入っています。
「ちょっとー!お弁当箱、出してって言ったよね?」
すると子どもは、
「あっ!」
という顔。
そう。
完全に忘れていたのです。
なぜ「帰ったらすぐ」ができないの?
毎日言っています。
「帰ったらお弁当箱出してね。」
「明日の朝困るからね。」
「お願いだから忘れないでね。」
これだけ言っているのに、なぜか出てきません。
学校から帰った子どもの頭の中は、
「おやつ!」
「遊びたい!」
「ゲームしたい!」
と、やりたいことでいっぱい。
その中で「お弁当箱を出す」という作業だけが、なぜか記憶から消えてしまうようです。
そして母は思います。
「いやいや、それ一番最初にやってくれ!」
一番怖いのが「熟成発酵」
そして、お母さんが本当に恐れているのは、弁当箱が出てこないことだけではありません。
そう。
食べ残し問題です。
お弁当箱の中に残された、ご飯、卵焼き、ミートボール、そしてよくわからない野菜。
それがカバンの中で静かに時間を過ごしています。
そして翌日。
おそるおそる蓋を開けると、
「うわっ!」
思わず顔を背けたくなる、あの独特の香り。
昨日まで普通のおかずだったはずなのに、いつの間にか別の何かになっている。
もはや料理ではありません。
お弁当箱の中で、謎の熟成発酵が始まっています。
「お願いだから、勝手に発酵させないでー!」
そう叫びたくなるのは、私だけでしょうか。
そして始まる、翌朝の大騒ぎ
さらに困るのが翌朝です。
「お弁当作るよー!」
そう言ってキッチンに立ち、おかずを準備。
さあ、お弁当箱を出そうと思った瞬間、
「ママー!お弁当箱は?」
嫌な予感。
子どものカバンを確認すると……。
やっぱり入っています。
しかも、昨日の食べ残し入り。
「だから昨日出してって言ったでしょー!」
朝から始まる、お弁当箱救出作戦。
急いで中身を処理して、洗って、場合によっては漂白まで。
「お願いだから、帰ったら出して!」
心の底からのお願いです。
「言わないと出ないシステム」なの?
ここまでくると、ふと思います。
もしかして我が家のお弁当箱は、
「お母さんが言わないと出てこないシステム」
なのでしょうか。
「お弁当箱出して!」
と言うと出てくる。
言わないと出てこない。
まるで音声認識機能付きです。
でも、お母さんが毎日声をかけていると、子ども側も、
「ママが言ってくれるから大丈夫。」
となってしまうんですよね。
そこで我が家では、少しずつ「自分で出す」仕組みを作ることにしました。
我が家で試している「弁当箱を出す対策」
まずは、「帰宅したら最初に弁当箱を出す」ことを習慣にする方法です。
「ただいま」と帰ってきたら、
靴を脱ぐ
↓
ランドセルを置く
↓
カバンを開ける
↓
弁当箱をキッチンへ持っていく
この流れを毎日のルーティンにします。
そして、できれば弁当箱を置く場所を決めておくのもおすすめです。
「キッチンのここに置く」と決めておけば、子どもも迷いません。
さらに、低学年のうちは「帰ったら弁当箱!」と声をかけるだけでもOK。
慣れてきたら、少しずつ声かけを減らしていきます。
我が家では、子どもが忘れた時に怒るだけではなく、
「明日の自分が困らないように、今日のうちに出しておこうね」
と伝えるようにしています。
最初から完璧にはいきません。
忘れる日もあります。
翌朝に発見する日もあります。
そして時には、恐怖の「熟成発酵弁当」と再会する日も……。
そんな時は、できるだけ穏やかに、
「昨日出すの忘れたよね。今日は帰ったら出そうね。」
と伝えます。
……できるだけ、です。
朝の忙しい時間に、カバンから異臭を放つ弁当箱を発見した時は、なかなか穏やかではいられません。
今は毎日、
「お弁当箱出して!」
と言っています。
きっと明日も言うでしょう。
でも、いつか子どもが大きくなった時、
「帰ったら弁当箱を出す」
ことが当たり前になっているかもしれません。
そう考えると、今の「ママの小言」も、いつかは子どもの生活習慣を作るための大切な声かけになるのでしょう。
とはいえ……。
やっぱり一言だけ言わせてください。
「お願いだから、帰ったら弁当箱出してー!」
そしてできれば、
「食べ残しをカバンの中で熟成発酵させるのもやめてー!」
全国のお母さんたち。
今日もどこかで、同じ言葉を叫んでいることでしょう。
明日の朝、カバンの中から弁当箱が出てきますように。
ちゃんと昨日のうちに。
そして中身が、まだ「食べ物」と呼べる状態のうちに……。

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